常総市 築50年の家リノベーション
常総市にある築50年の家をリノベーションさせて頂きました。
ご依頼は一階のリノベーション。玄関口が2つあり2世帯が住まれています。
ご両親さまとの二世帯なので世代の異なるご家族が快適に暮らせて、暖かくすごせる和モダンテイストをご希望でした。
【After】
当時こちらの家を建てた大工さんの腕が良かったので骨組みがきっちりしていて、基礎もまだまだ使えたので、天井に100㎜の2枚重ねのグラスウールを入れて、床も一部ポリエチレンフォームを敷き、床板の張替え、サッシの全交換で断熱性能をプラスしました。
風水最強間取りの家
このような間取りのお宅ってよく見かけますよね。
実は風水最強間取りなんです。
入口は日が昇る南東で縁起が良く、鬼門には水廻り絶対NG。
さらに、おもてなしの心を大切にしている間取りでもあるので、お客様は日の当たる暖かな部屋に通すことができます。
50年前はこのような家が多く、新築の打合せは3回で終わると言われていました。
床柱の種類や、柱の太さ、木の素材、欄間や障子などの装飾などで個性を楽しんでいた印象です。
このような家のデメリットは、現代人の生活導線では少し使いににくく、断熱材が入っていないのでとにかく寒く、部屋が広いので暖房も温まりにくく、ほぼ引き戸なので暖かさが逃げていきます。
ですが、最大のメリットは木の性質上伸縮を繰り返すものなので寿命が長い家とも言われています。
実際に、このような間取りの家をリフォームしたいというご要望をたくさんいただきます。
今回の家のリフォーム工期は約7か月。住みながらのリフォームだったので工期をたっぷり頂きました。
花梨の木の新しい役目
応接間にあった窓台は、価値ある花梨の木だということが分かったので、取り外して木の表面を再加工したところ綺麗なワインレッド色になりました。
こちらの窓台は式台に生まれかわり、これからは客人をお迎えする玄関の顔として存在し続けます。
「この家を建てた当時の窓台が、こんなにも美しい色だったなんて。」そう話された御祖父様。
先代が建てられたこの家は、代々受け継がれた家なので、リノベーションに踏み切るのはとても簡単なことではなかったそうです。
施主様ははじめ建て替えの希望でしたが、御祖父様の「父が建てたこの家を残していきたい」という気持ちを尊重されご家族で何度もご相談を重ね、建物の良さは残し暖かく快適に過せる家にする計画となりました。
和室と食卓を繋ぎ欅の鴨居は残し、廻り縁と抜きを外し、彫り込まれた傷をタモで埋めました。同じ欅で埋めることもできましたが、色が異なるほうが面白いかと思ってタモにしてみました。リビングの壁紙は土佐紙で落ち着いた雰囲気に。ビニールクロスの壁紙だと艶が出てしまうので、和紙にすることで光を優しく吸収し優しい印象に仕上げられます。
天井は、赤身の杉板張りの勾配天井に変えました。開放感と外からの光をたっぷりとリビングに取り込みます。
陽のあたる縁側は室内犬の部屋として
縁側で暮らしていた室内飼いの犬さんの場所はリビングから様子が分かるように、FIXのアクリル板にしています。犬さんの大きさに合わせたサイズで、ぶつかっても割れない素材です。床はフロアタイルで防水仕様なのでトイレシートも敷けます。
明るくなった廊下
右手寝室にはホイトコを設置して、光と風と人の気配を感じられるようにしました。
セカンドリビングに繋がる廊下には造作の収納棚を設けて、生活のなかで出てくる「家のもの」をしまうことができ、想いでの小物などを飾って置けるスペースになりました。
玄関ドアは、米松の中では最高級グレードのピーラー材(柾目)を使用しています。
防水効果が高く、変形もしにくいためこの木を選びました。
掘りごたつ同様ドアを造ったのは大工の羽田さんです。
インテリアは、つくば市のHOMESICさんです。
ソファ、ダイニングセット、センターテーブル、TVボードを揃えました。
リビングは全体的にロータイプで統一して、ゆったりとくつろげる空間です。
完成動画はこちら
家の選択肢は新築だけではないと思っています。
家を造る者として、価値のある建物や素材は残していきたいし、その場所の歴史もそこでの思い出も大切にしたいと思っています。
もしリノベーションにご興味がございましたら、ご希望はもちろんですがそこに住むご家族の思い出もお聞かせください。
お気持ちに沿ったご提案をさせて頂きます。